ブログの傾向を元にAIにおすすめしてもらった小説
このブログの過去記事を読み込んでもらった上で、AIに小説をおすすめしてもらいました。セレクトの軸は「物語の筋を追うよりも、文章そのものを読む読書」に効きそうな本です。読みたい本のメモを兼ねて、それぞれの本の特徴を残しておきます。
堀江敏幸『熊の敷石』
フランス滞在中の語り手が、旧友を訪ねたり、土地の人と短いやりとりをしたりするうちに、記憶や歴史が静かに浮かび上がってくる短編集です。芥川賞受賞作。
- 風景の描写、回想、思考が地続きに流れていく文章で、章や段落の切れ目で話題が切り替わらない
- 「事件が起きて解決する」型ではなく、文章の手触りそのものを楽しむタイプ
- 日記やエッセイの呼吸が好きな人と相性が良いはず
ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』
冷戦下のチェコを舞台にした長編。男女四人の関係を軸に進みつつ、「軽さと重さ」「キッチュとは何か」といった概念についての著者の地の文が頻繁に挿入されます。
- 概念を提示してから物語で例化するという組み立てで進む
- 抽象的な議論と具体的な人物描写が交互に来るので、論文や教科書を読むリズムに近い面もある
- プログラミング言語の意味論や設計の議論が好きな人にはたぶん刺さる
上田岳弘『ニムロッド』
ビットコインの採掘プログラムを走らせる会社員が主人公の長編。芥川賞受賞作。
- 主人公がエンジニア寄りの職業で、コードや採掘の話題がそのまま小説の語彙に入り込んでくる
- 同時代の技術と、神話・思弁的なスケールの大きい話が地続きに語られる
- 「自分たちの言語で書かれた小説」と感じやすい現代日本文学の一冊
保坂和志『プレーンソング』
シェアハウスのような家で猫と暮らす若者たちの話。事件らしい事件はほぼ起きません。
- 「考えごと」「会話」「猫」「競馬」が淡々と続く
- 日記をそのまま小説にしたような書き方で、随筆と小説の境界に近い場所にいる
- 「物語ではなく文章を読む」読書のための一冊として、たぶんいちばん原型に近い
同じ作者の『カンバセイション・ピース』も同系統です。
カズオ・イシグロ『日の名残り』
イギリスの老執事が、車で短い旅に出る数日間を語る長編。ブッカー賞受賞作。
- 形式や職業倫理を重んじる語り手が、淡々と過去を回想していく
- 信頼できない語り手の構造で、語り手が語らないことから読者が真実を組み立てる
- 「形式は大事にしつつ、いいじゃんではしたたかに進めるスタイル」が好きな人に響く設計
どれから読むか
5冊の中で1冊だけ選ぶなら、保坂和志『プレーンソング』がおすすめされました。「物語ではなく文章を読む」読書、というテーマに対して書き手側からの最も率直な答えになっている、というのが理由です。
技術書ばかり読んでいると、こういう「何も起きない小説」を読むリハビリが必要になる気がします。